【新店舗工事】雷 東京本丸店~笠間焼アートの壁~2⃣施工編

8月から東京駅構内グランスタにて、

松戸市の中華蕎麦とみ田の直営店”雷 東京本丸店”がオープン致しました。

今回は1⃣完成時2⃣施工の様子3⃣笠間焼について…と、三回に分けてご紹介していきます。

今回の2⃣施工編では、完成までの工程を主に写真でご紹介していきます。


正面の外壁

駅構内の通路の雰囲気に馴染み、なおかつ看板が引き立つ色合いの品のある石で仕上げています。

まず、耐力性と弾力性に優れる変成シリコンエポキシ樹脂接着剤を下地に塗り付け、クシ目ゴテを用いてしっかりクシ目を立てます。

クシ目には、谷の部分から水分や空気などを逃がし、接着剤を均等に被着材に馴染ませる効果があります。下地や被着材の種類によって数種類のクシ目ゴテが利用されます。

全体の高さや幅を考えながら下から貼っていきます。水平になるようにパッキンを入れて調整していきます。少しのズレも上にいくほどに大きく影響してくるので大事な作業です。

天然の石は、石によって凹凸がさまざまで厚みが微妙に違ってくるので、綺麗に合わせるには職人さんの技術が不可欠です。

完成です。


店内の床

波模様の焼き物で、味がある雰囲気に仕上げています。

こちらも接着剤をクシ目ゴテで塗り、柄をわざとランダムに並べます。目地の幅が同じだととても綺麗に見えます。

目地の入れ方は色々ありますが、今回はなるべく焼き物を汚さないやり方で仕上げました。
まず目地砂に軽く水を含ませ、サラサラからパラパラにします。それを目地ゴテで目地に詰め込みます。

目地ゴテで目地の高さを合わせて、周りの目地砂を払って完成です。乾いた目地砂を入れてから水をかけるやり方よりも周りが汚れずに済みました。


アート壁

見ていて飽きないこだわりの壁です。

まずは、皿や壺の焼き物をハンマーで細かく砕きます。壁に貼りやすいように貼る面がなるべく平らになるように割りました。

そのまま使えそうなお皿や面白い形のパーツは、割らずにアクセントとして使いました。

外壁と同じように接着剤を塗り、押さえつけるように並べていきます。

目地がT字路になるように並べると見栄えが良いという法則があるのですが、今回は形も色もバラバラ過ぎてしまい、法則の通りにできない箇所も多々ありました。

それでもこれだけのまとまりが出るのは職人さんのセンスそのものです。

次に絞り袋で目地を詰め、余計な目地剤を指で取りつつ平らにならします。

笠間焼の文字入りの焼き物を入れて完成です。


カウンター周辺・厨房

カウンター周りも厨房も、質と使い勝手にこだわって作りました。

カウンターは、角を合わせて隙間ができないよう設置し、艶消し剤を二度塗りしました。

カウンター下の足置き石は、足と当たる部分の角をなめて(丸くして)、カウンターを支える枠と当たる部分をカットしました。地味ですが大事な作業です。

厨房内の壁に貼ったステンレスや厨房機器には保護シートが貼ってあるので、最後のクリーニング時にはがしていきます。


看板

遠くから見ても目立つ看板です。

看板のイメージを伝えると、担当の方が構造を考えて、薄くてスタイリッシュな看板の提案してくれました。

配線用の穴を開けておいたこのスペースに設置します。

大きな看板なので、LEDの配線をつけながらの設置はなかなか大変でした。


側面の外壁

実はよく見ると凹凸があるデザインになっています。ぜひ実際に見ていただきたい壁です。

側面の壁はランダムに貼っているのではなく、一枚一枚指定の場所に貼っています。パッキンで調整しながら位置を合わせていきます。

目地を入れて完成です。


最後に

人通りの多い駅構内の工事とあって夜間の作業もありました。

工事期間がちょうど緊急事態宣言が出された頃だったのですが、無事に工事が完了でき胸を撫で下ろしています。
そして次の記事では、今回の工事で使った焼き物について書いていきたいと思います。